新卒ではいった大手を辞めるとき。
キャリア。年収。年齢。
漠然とした不安が大きすぎて
決心するまでに何度も悩んだ。
残業代も全額支給され、ノルマもない
ホワイトな会社だった
けれど...
(ここにいるとヤバい)
と感じた瞬間が3度ある
1度目は入社初日でランチを終えた
13時頃、オフィスで
自社商品の機械をさわったとき
(かなりメカニックな機械だった)
なにも考えず
ただ安定性だけで
会社をえらんだぼく。
これから何十年も販売する
商品に1ミリも興味がなかった
(こんな商品を売っていくのか?)
(こんな社会人生活を送っていくのか?)
トイレにこもり
ケータイを見ながら冷静に考えた
(完全に就活失敗した...)
興味がないのは大前提だったけど
なによりも
メーカーに入った事に後悔した
プロダクトに価値があり、
営業マンは誰でも良い。
(この会社でいればいるほど周りに差をつけられる)
(3年以内には辞めよう)
ぼくは心に決意した
2度目のターニングポイントは
社内のエース(メンター)から
現実的な事を言われたとき。
ぼくは幸いにも
営業二課の中で
新卒から営業成績10年連続No.1の
Sさんがメンターについてくれた。
10人いる事業部内でもエース的存在で、
部長からも
「Sがメンターでよかったな」
と優秀なメンターの初めての部下ということで
謎の期待をぼくは寄せられていた
「1回で全部覚えてな。2回はいわないから。」
「これ、前教えたから出来るよな?」
Sさんの指導は厳しかったが、
それでもスゴイと思ったのは
なによりも自分に厳しかった
朝は誰よりも早く出社し
1日のスケジュールはぎっしり。
何よりも営業目標から
逆算して何をやるべきかを
明確にする力がすごかった。
そんなメンターと仕事終わり
一杯飲む機会があった。
「最近どう?」
普段は仕事の話しかしなかったので
プライベートの話をするのは新鮮だった。
(このタイミングで聞いてみよう...)
「貯金ってどれくらいなんですか?」
ぼくはズバッと切り出した
(今思うとこんなストレートに聞くのはよくないw)
するとメンターは
「貯金なんてボーナス分しかできないよ」
「毎月の給料は
生活費やローンの支払いで消えるから」
ぼくは言葉を失った...
さらにメンターは続けて
「みんな残業してるだろ?」
「特にIさんなんて定時ギリギリまで
社用車で休んでまで残業してるだろ?」
「なんでか分かるか?」
ぼくは「分からないです」と答えた。
すると...
「残業代がないと子供を
遊びにも連れて行けないんだよ」
「残業代で遊ばせてもらってるから。おれたちは」
「お前も、無駄遣いは避けて、計画的にやれよ。」
少し酔いもあったが、
頭がクラッと来た...
ぼくが乗っている船は
安定はしているが、確実に沈没していく
『安定というなの沈みゆく船』
に乗っていた...
(もうここで頑張る理由はないな...)
そして最後はちょうど半年くらいたったとき
気持ちの糸がプツンと切れた
”ここにいるとヤバい”
いままで習得したことは
機械の説明トークや
お問い合わせに対する対応
(この業務は他の会社で使えるのか...)
そう...
ぼくの会社は
社内で使える知識やスキルしか身につかない
だからこそ30代を超えると
会社にしがみつくしかない
そんな会社だった。
入社日に感じた直感は当たってた
(もう潮時だ...)
そこから転職活動をはじめた
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最近東芝が最大で4000人以上の人員削減を
発表したように、
いまの日本で沈没しない船(会社)はない
会社が沈没しても
自分の船を漕いでおけば溺れることはない
自分の船とはスキルをつけること
お金を生み出せるスキルをつけておくこと。
これが現代で沈没しない船だと思う
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転職をして人間関係も新しくなり
前職でスキルがついてないので
上司に怒られてばかり
(1年目のときの方が余裕だった)
それでも...
自分の船を漕いでいるようで
厳しい環境でも楽しむことができた
上司が退社してからは
ゴミをさりげなく捨て
朝は誰よりもはやく出社し、
事業部のデスク周りの清掃
こんな事をしてでも
スキルを盗みたいと思える上司
小さくても、自分の船を船を漕げている実感
どんどん船がでかくなることに
仕事のやりがいを感じる。
ぜひこれを読んだ人には
自分の船を作り始めてほしい